病気や怪我に備えた独立後の健康保険
フリーランスとして働き始める時には、開業届の提出、青色申告を行うなら承認申請書の提出、国民年金への加入などの手続きが必要だが、その他にも健康保険に関する手続きを行わなければならない。
国民健康保険は、会社を退職した翌日から14日以内に加入する必要がある。手続きは、市区町村の役所で可能だ。手続きには、健康保険の資格を喪失した日がわかる書類やマイナンバーを確認できるもの、印鑑などを持参する。フリーランスになると、配偶者などを扶養に入れることができないから、家族の分も自分で支払わなければならない。ただ、確定申告の際に、健康保険料は控除の対象になる。
国民健康保険に加入せずに、任意継続制度を利用することもできる。退職と共に、被保険者の資格は失うが、手続きをして、それまで加入していた健康保険を継続させることができる制度だ。ただし、健康保険に継続して2ヵ月以上加入していることが必要で、退職後20日以内に手続きを行う必要もある。保険料は、全額自分で負担し、滞納すると、資格を失う。国民健康保険より保険料が高くなる場合もあるから、慎重に検討することが大切だ。
この他には、国民健康保険組合に加入することもできる。ITエンジニアが加入できる組合には、日本ネットクリエイター協会や日本グラフィックデザイナー協会などがある。ただし、誰でも入れるわけではないから、事前に、自分が加入条件に合っているかどうかを確認する必要がある。